クッキングハウスからこんにちは No.226
(記事の一部抜粋)

2026年2月17日発行


<レポート①> 志賀原発 抗った方たち
~私のリカバリーストーリー~

2025年11月7日、メンタルヘルス市民大学で能登半島七尾から友禅染絵作家・じゃり道工房主宰の志田弘子さんがお話しに来て下さいました。優しい語り口、あふれるような愛と情熱が、まっすぐに私たちの心に響いてきました。
2024年元旦の能登の大地震。志田弘子さんの自宅から10キロ先には北陸電力志賀原発があるのです。もしも原発事故が発生しても避難できないことが、今回の大地震の道路の寸断ではっきりしたといいます。志田弘子さんは1986年、4人目の子どもが生まれた時、チェルノブイリ原発事故が起き、志賀原発の計画も知り、母親として子どもの命を守りたい、と志賀原発反対訴訟の原告に参加するようになりました。
「諦めたら絶望しかない。命をつなげば希望になる」と絵に描き続けてきました。志賀原発の長い反対の歴史。漁師の方たちが命をかけて反対し、綴ってきた克明な日誌が遺されていることを発見し、伝えなければ知る人も少なくなると“志賀原発 抗った方たち”として語って下さいました。「魚は人間の手では作れない」と海を守ろうと闘った漁師たちの貴重な歴史の証言でした。(松浦幸子)
<レポート②> 新春 家族SSTスペシャル「相続」
講師:増田弘子さん(司法書士) テーマ「遺言」

もう53年も司法書士の仕事を続け、人権擁護の社会活動の要職に就かれている増田弘子さん。自立した女性としても、あたたかいお人柄も、とても尊敬しています。当日は36名の満員御礼となりました。どんな紙でもいい、自筆で署名して年月日を記し、印を押して遺言を書いておく「自筆証書遺言」を学ぶことができました。
「便箋やレポート用紙でもいいですか?」
「いいですよ。自分の字で書いてあれば大丈夫です。コピーもしておくといいですね。」
「貯金少ないし、一人で暮らしているけど遺言は書いた方がいいですか?」
「そうです。書いておいて下さい。亡くなったあとの後始末を誰にやってほしいか等、とても大事なことなのです。」と、一人一人の質問に丁寧に答えて下さいましたので、安心してどんどん、それぞれの心配事を話すことができました。遺言をきっかけに家族同士が語り合えるようになったと、早速メンバーから嬉しい報告をもらいました。(松浦幸子)

<レポート③> 前田ケイ先生とSST 一日研修
仙台に暮らしておられる前田ケイ先生。10名のスタッフ・メンバー・家族の方々のグループを編成して1月17日に日帰りで、SSTを学びに行ってきました。先生が玄関に出迎えて下さり、再会を喜び合いました。お昼もご馳走になり、早速SSTを開始。集会室で、それぞれが持ってきた課題で3時間の充実したSSTになりました。「もう、SSTの“リーダー”という固定した考えは終わりにしましょう」と先生の提案。リカバリーセンターを目指している私は、SSTが仲間が共に助け合っていける大事なプログラムになるだろう、と考えているので、ピッタリの練習になりました。認知に働きかけることに重点を置いた練習にしたいか、行動の方の力をつける練習をしたいか、課題を出した人と相談しながら進めて行く方法を学ぶことができ、当事者が主体となり、文化を創っていくことの明るい希望が見えたのです。
前田ケイ先生はお部屋のドアにきれいな花を飾っておられました。廊下を通る人の気持ちが和むようにと。「私、お花が好きなのよ。いつも飾っておくの」とニッコリ。スーパーの買い物やデパートの楽しみも送迎、荷物のピックアップのサポートがあり、朝と昼はご自身で用意し、夕食は他の住民の皆さんとの交流のために施設内のレストランで食べておられるとのこと。絵を描いたり、書道を習ったり、お出かけ行事を楽しみながら、学ぶこと、執筆活動もされて充実した生活をしています。SSTも月2回は皆さんがグループで学びに来てくれているとのこと。みんなで95歳の「ハッピーバースデイ」を歌って、またお会いする日を楽しみにして、帰ってきました。
帰ってきてからのスペシャルSSTでは、早速できることから、メンバー主体のSSTにしていきたいと「これからSSTを始めます」と開会の挨拶をし、閉会も「今日のスペシャルSSTを終わりにします。皆さん、ありがとうございました」と挨拶することをメンバーにやってもらいました。すると、円陣を囲んでいる参加者がみんな笑顔で拍手を送ってくれたのです。生き生きとしたグループがスタートしたのでした。課題の板書も2人のメンバーが「やってみたいです」と自ら手を挙げ、チャレンジしてくれました。SSTがメンバーたちのリカバリーにとってなくてはならないものになり、メンバーたちが助け合ってやっていける学びと練習になる希望がはっきりと見えてきました。10名の参加者はいっぱい学び、深く感動したので素晴らしい感想文を書いてくれました。(松浦幸子)

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