メンタルヘルス市民講座2004
昨年も好評だったメンタルヘルス市民講座が今年も始まりました。5回シリーズの講座は、真剣な眼差しのお客様でいつも満席です。今回は家族の方の参加が多く、最初は硬い表情をして会場に来る方も、講座を終えて帰って行かれる時には、やわらかな表情になっていることもありました。それはきっと、自分が頑張らなければと、いつも必死になっていた家族が、「家族だけが頑張らなくてもいい。お子さんは社会の宝なのだから」という松浦さんの言葉に、ほっとされたからでしょう。
講座のテーマは、「心の病気のつらさ、生活のしづらさ」、「回復に向かって」、「市民としてどう付き合えるのか、どう付き合ってほしいのか」、「心の病気の基本的な理解」、「日本の精神保健福祉の現状と世界の動向」です。
クッキングハウスの講座は、松浦さんの話が分かりやすいのはもちろんのこと、やはりメンバーが自分の経験や想いを自分の言葉で語ってくれるので、お客様の心に響き、深い理解につながっているのでしょう。私もメンバーの語る言葉に思わず聴き入り、記録をとる手が止まってしまっている事もありました。
第4回目、「心の病気の基本的な理解」では、メンバーが服薬を中断したときの体験を語ってくれました。『服薬すると頭がボーっとなるので、服薬をやめたことがある。今までにいろんな薬を試してみて、7年目に新薬で落ちついた。自分に合う薬の組み合わせが大切だと思う。今では、"薬を飲むのは自分のため"と思っている。』と、レストランでの仕事を終えて、メンタルヘルスを学ぼうと駆けつけてくれたメンバーが語ってくれました。
他にも、『妄想が出て服薬を絶ったことがある。今では一日たりとも薬を飲まないことはない。』、『薬を絶ったら再発して入院になった。どうして入院になったの?と母に尋ねたら、"薬を飲まなかったからよ"と答えてくれた。だから今は、薬を飲んでいれば入院はしないと思っている。』など、それぞれが自分の言葉で語ってくれました。
『お客様の前で話すと、すっきりする』と話してくれるメンバーもいます。メンバーの語る言葉の一つひとつが講座の雰囲気を和ませ、良い雰囲気をつくってくれています。(小林葉瑠)
〜メンタルヘルス市民講座お客様のアンケートから〜
素敵な感想が寄せられました
- メンバーの生の声を聞かせてもらい、話のテーマがより身近かなものとなり様々気付いたり感じたりすることが多かった。自分の家庭でも出来るものはとり入れてゆきたいと思う。(中略)居心地の良い場所と仲間が、近くの作業所でも出来るとありがたいのですがゆっくりでも必ず回復するお話しを聞いて心が暖かく、軽く、うれしくなりました。
- SST、心の病いを体験した方ばかりではなく、人間関係をスムーズにするために役立つ学習だと思いました。このようなプログラムの必要性を実感させていただきました。ケーキもお茶もおいしかったです。ごちそうさま。
- 心の問題を大切にする、社会になってほしい。本当にそう思います。多分誰もがレベルの違いはあれ、かかえている心の問題がある。気がつきたくない。みたくない。そんな人も多いでしょう。当事者として、気持ちを発信されるみなさんに、はげまされる人が多いと思います。
- 何時の場合も、よく話を聞く事の大切さを、再確認しました。私メッセージ、あなたメッセージが、強く心に感じられました。今後のボランティアの活動の中に一歩ずつあわてずに、色々勉強しながら、マイペースでいきたいと思います。メンバーさん達の話にいつも心がすくわれます。それは、本音で話してくれるからです。
- 参加させていただいて、家族等の病気で悩んでいる方が沢山いた事がわかりました。なかなか参考になる本とか機会もなく困っていたので良かったです。
- オープンに病気の事を話せる社会になればと思っています。具体的にも、自分が少しでも助けになればと思っています。近くにも、こういう場所があればいいなあと思います。
- 先週、はじめて参加させていただき、「骨を折ってしまった足は元の早さでは走れない」との言葉でああ、そうなんだ!と納得しました。今まで元に戻ってほしいと思うばかりに、回復してきていることをほめられず、認められないでいました。いいこと、できたことに目を向け少しずつ歩んでいきたい。これって誰にでも言えますよね。(自分もそうされたいし)今日ここに来てリラックスできました。
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