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私がこの本と出会えたのは去年(2003)のことでした。はじめて読んだとき、こんなすてきな本があるんだ!と感激して抱きしめたことを忘れません。
まえがきで「病気も不登校も母子家庭も何も悪いことじゃないよ!」と語りかけてくれるタラさん(と呼ばせていただきます)は、ご自身ボーダーラインというパーソナリティ障害(人格障害という言い方もありますね)を持ち、二人のお子さんは不登校を体験されています。この本はそのタラさんが、不登校親の会の会報に毎月連載されていたものをまとめたものです。ときどき「どーせ私なんか」病になり、親のココロと子どものココロの間をいつも振り子のようにゆれていて、椎名林檎が大好きなタラさんの等身大の正直な言葉でつづられています。

私自身不登校とこころの病を経験して、そしてはじめて考えたこと、わかったことがいくつかありますが、タラさんはそういう少数派の思いや、ご自分の感じることをご自分の言葉で書いていると思いました。私たち少数派はいわゆる「世間の常識」に合わせて生きていくと、苦しくなってしまう。だからひとを型にはめないで、とタラさんはやさしく呼びかけていると感じます。

とてもつらく苦しい子ども時代を生き抜いたタラさんは、今ホントにすてきな女性になられたと感動しました。タラさんのしている子育て、子どもの育つ力を信じてただ寄り添う、この大切なことを「健康」な親たちはどれだけできているのかと、ふと疑問に思いました。この『今日一日だけ生きてみよう』は私のとても大切な本です。一番苦しい時つらい時、誰もいない!と一人がこわくなる時、手に取る本です。あせる時にはタラさんのやさしい言葉で心が柔らかくなるのを感じます。

うつがひどい時、自暴自棄になりすてばちになる時、タラさんもそんなやりきれないつらさを経験したんだ、世界で私だけじゃない!そう思って眠りについた夜もありました。いつもすぐ手に取れるようにベッドサイドにそっと置いておくのです。病気の時、自分だけおかしいんじゃないかと思えてしまう時、どうかそんな時にタラさんの言葉にふれてみて下さい。きっとタラさんはあなたのそばにいてくれると思います。最後にタラさんのこの言葉を記します。

「そのままのあなたでいい。あなたはひとりぼっちじゃない。そしてこの今が永遠に続くわけじゃない」 
<了> 
(2004年8月19日)

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