傷ついた心が癒され 安心して語りだせるように
暑さ厳しい夏です。皆様、お元気でいらっしゃいますか。
№217の発行日8月6日は、ひろしまの日です。丸木美術館では、ひろしま忌に集まった人達で丸木位里・俊の描いた原爆の図に灯篭を捧げ、黙祷しています。
今、この国は憲法9条の不戦の誓いを忘れ、戦争のできる国へとひた走りになっています。
何かにあおられ、急き立てられ、本当にこのままでいいのかと考えることすら忘れているようです。
心の居場所クッキングハウスは平和でなければやっていけない場です。
子ども時代に傷ついた心は、あたたかい見守りの中で安心して、ゆっくりと癒していかなければなりません。
幼い頃から親の暴力の中で育った人が、クッキングハウスのメンバーになって2年、ようやく重たい心の扉を開け、語り始めました。
「今まで周りの大人が本当に自分のことを思ってくれているのか、わからなかった。クッキングハウスに来てから人を信じてもいいと思えるようになりました。」
「まだ感情が出てこないので、他の人の考えていることがわからない。」
「それでも、自分から話しかけられるようになりたい。」
SSTで練習したから大丈夫。さあ、勇気を出して!と、ちょっと後押し。
仲間に「一緒に帰りませんか」と、ようやく言えた一言。
仲間はニッコリして「いいですよ、一緒に帰りましょう」と応えてくれました。
見守っていた私達は嬉しくて「よかったね」と、うなずき合いました。
心が少しずつ解放され、自由になっていく小さなプロセスを、とても大事にしているのです。
だから、心の居場所はどうしても平和でなれければならないのです。
(松浦幸子)