ホーム > 心の居場所(2020年10月号)

33歳
心の居場所はまだまだ若い働き盛り


ようやく秋の風が吹くようになりました。皆様、お元気でいらっしゃいますか。
コロナ禍と厳しい暑さの夏を、みんなでよく乗り切って生きてきました。大雨の災害に遭われた皆様、心からお見舞い申し上げます。元の生活に一日でも早く戻れますように、お祈り申し上げます。コロナ禍で、人々の仕事も文化芸術活動や集会や地域のお祭り、小さな学習会も子どもたちの教育の機会も、全てが制限され、人々の心がしぼみ、たった半年ばかりで社会全体が年をとって生気を失ってしまったかのようです。不安感が強く、動きが取れない状態が続いています。私たちの社会がこんなにもろかったはずはない。しっかりと根を張って人々が繋がり合い、助け合っていたことを思い出し、勇気を取り戻さなければなりません。
1987年10月1日、ワンルームを借り、小さな居場所を開いたクッキングハウスは、2020年10月、満33歳になります。オープン以来、たくさんの方々がそれぞれの人生の苦労を背負い、どうにもならなくてここにやってきて、荷物を少し下ろして、ほっとして帰っていかれました。そんな心の居場所であることは、ちっとも変わらないのです。
久し振りにやってきた方が、「コロナで社会が変わってしまったようで怖くて、ずっと閉じこもっていたんだけど、クッキングハウスは前と変わっていなくて、あったかい笑顔で迎えてくれてホッとしました」と感激しておられました。私達は雑木林のような明るい里山でありたい。それぞれの木がしっかり根を張って互いに支え合いながら、伸び伸びと空に向かって成長していきたい。何といっても33歳。まだまだこれから働き盛りで若いのです。
(松浦幸子)