ホーム > 心の居場所(2020年6月号)

会いたい人に 会えるように

新緑から初夏に移り変わる、一年で最も爽やかで美しい季節。

日本中の人々がコロナ禍を必死の思いで生きてきました。
学校が休校で、仲間と会って思いっきり遊んだり、
学べない子どもたち。
在宅勤務となり、職場の仲間にも会えない人たち。
お客さんを迎えることのできないシャッターの降りた店。
入院している家族の面会もできないし、
感染の心配があるからと孫にも会えない。
映画や芝居やコンサートにも行けない。
経済の状況も深刻で、失業、賃金不払い、倒産…
先行きの見えない不安ばかりです。

こんなときだからこそ、心を閉じてはいけない。
孤立しないで、不安をひとりで抱え込まないで、
クッキングハウスで一緒にご飯を食べ、語り合って、
うたを歌って学び合おうと、居場所を毎日開いてきました。
こんな当たり前のことをやることすら、
勇気のいる閉塞状況でした。

不安で心がいっぱいになって、
身動きできなくなっていたメンバーも
「私にはクッキングハウスという居場所があったのだ」と
思い出して、「やっぱり、人に会いたくなりました」と
戻ってきてくれるようになりました。
人は人と一緒に生きていくのです。

コロナの試練から新しい社会を創造していくために、
私たちは心の扉を開けて、前に向かって歩き出しましょう。
会いたい人に会いにいける自由を取り戻していきましょう。

(松浦幸子)