ホーム > 心の居場所(2017年4月号)
語り合ってきた30年

春がやってきました。各地から桜便りが届きます。
皆さま、お元気でいらっしゃいますか。

30周年を迎え、12月22日(金)の舞台に向かって、
ソシオドラマの練習に励み、うたづくりに意欲を燃やす
クッキングハウスの仲間たち。
なぜ30年間、色々な困難がありながらも、平和な心の居場所をやって来れたのだろうと振り返ってみました。

それは、どの活動の場面にも、
必ず一人ひとりの気持ちを語れる安心があったからだと気付きました。
朝は、“気分しらべ”で、適切な言葉を探して、
今の気分を一言で語ります。
毎日、必ずティータイムがあり、一日の振り返りをして、気持ちを語ります。
夕食会のあとも、美味しく食べて、ほっとしながら、
感想を語ります。SSTのウォーミングアップでも、
最後のシェアリングでも、気持ちを語ります。
増野肇先生のこころの健康講座でも、
今、話したいことを順番に語っていき、
それぞれの話をじっと聴いていきます。
メンタルヘルス市民講座も、サイコドラマも、家族SSTもWRAPも、
メンズグループも、クッキングハウスが大切にしている文化学習企画は、
すべてそれぞれが対等に語り合い、それぞれの語りを尊重し、
耳を傾けるのです。
話す相手を妨害したり、批判したりは一切ないので、
安心して、自分の順番が来たら、
私メッセージで自分の気持ちを語れるのです。

ようやく精神科治療でも、
開かれた対話が大事だとオープンダイアログが、
取り入れられるようにもなってきましたが、
クッキングハウスでは、もう30年も実践し続けてきたことなのです。
平和とは、お互いが安心して、自分の気持ちが語れ、
そして、互いに聴き合えることなのだと思います。

今の息苦しい社会状況を変えていく大事なキーを、
クッキングハウスの実践が持っているのです。

                                (松浦幸子)