命を尊ぶ社会をつくる
春の花々が一斉に咲きだしました。皆さま、お元気でいらっしゃいますか。
クッキングハウスの仲間たちは、一品持ち寄り大お花見会を野川の桜の花の下で楽しんだところです。
29年目の新年度を迎え、強く決意することは、あまりにも命が軽んじられているこの社会の中で、クッキングハウスの活動は、一人ひとりの命が最大限に希望に向かって、輝けるような実践を積み重ねていくということです。
子どもたちへの虐待は、あまりにも深刻です。大人によって、命を落とされた子どもたちのことを思うと、心が張り裂けそうです。子どもの貧困も深刻です。クッキングハウスのおいしい食事を、子どもたちにも食べさせたいと思います。
そして、ますます心のケアも深刻な問題になっている福島の原発の事故。原発関連死の多さに驚き、辛くなります。
チェルノブイリの原発の事故(1986年4月26日)も、今年で30年。たくさんの大人や子どもが、癌や難病で死んだり、今もなお、病気や障害で苦しんでいます。ノーベル文学賞受賞のスベトラーナ・アレクシェービッチの『チェルノブイリの祈り』は、たくさんの人々からの悲しみを伝えるドキュメンタリー文学です。私たちがほとんど知らなかった、チェルノブイリを取り巻く見落とされた歴史を、名もない人々が語っています。生活を根こそぎ奪われ、帰るべき故郷をなくし、ずっと黙して語らなかった歴史の真実を人々の表現で語り、ロシア文学の広く深い豊かな香りがします。
命を尊ぶ環境を作っていかなければなりません。そうすれば、生きる希望が生まれて、未来に一歩踏み出せるのです。 (松浦幸子)