ホーム > 心の居場所(2013年6月号)
うたったようにみんなで一緒に生きてゆく


  新緑の美しさに心洗われる季節です。みなさま、お元気でいらっしゃいますか。
5月25日(土)に開催したクッキングハウスの総会には、各地からご参加頂き、ありがとうございました。金沢からは水野スウさんも初参加。小矢野さんも、石川の清酒・夢醸をおみやげに、パーティーを華やかにしてくれました。
総会記念講演のゲストは、無言館館主で作家の窪島誠一郎さん。この講演を聴くために、クッキングハウスを初めて訪れて下さった方も多く、満員御礼の嬉しさでした。
25周年記念コンサートの成功や、自立支援事業を、手探りでたくましく乗り切ってきたことの報告。今年は、道路拡張のため、ティールームの移転先を捜さなくてはならないことを課題にしました。
どんな現実の困難さに直面したとしても、クッキングハウスのみんなが目指すこと・努力することは、うたったように「みんなで一緒にいきてゆく」こと。CD文庫「私の心の居場所」に録音した、16曲のうたの中に、このメッセージを何度も繰り返し、うたっています。心病む当事者達が、病気や障害という深い挫折を体験して、たどり着いた願いが込められています。私達の活動は、弱い力を寄せ合って、孤立しないで、人生の困難を乗り越えていくことです。互いの弱さを認め合って、笑顔で、生きていることを楽しめるようになることです。しかし、言葉はやさしくても、みんなで一緒に生きてゆくのは、なんとむずかしいことでしょう。相手のいい所を認めようとすることは、相手を否定したくなる自分の心との闘いでもあります。前進するのではなく、後退せざるを得ないこともあります。それでも、「そのままのあなたでいいのです」と、“相手を認めよう”と、いつも努力している居場所があることを大切にしていきたいのです。
10年間働いてくれたスタッフが退職することになりました。メンバー達と共に活動してきた理念を大切に、新しいスタッフにも活動の輪に入って頂きたい。人事は変わっても、クッキングハウスが四半世紀をかけて大切に育ててきた精神は変わりません。大震災の復興も進まず、不安な社会状況の中、私達の心の居場所から、一緒に生きていきましょう、と、笑顔を届けたいです。
 (松浦幸子)