“〜祝島と福島と私達と、心つないで〜
実りの秋がめぐってきましたが、地震や台風の被災地の皆さんのことを思うと、悲しい秋です。福島の皆さんを孤立させてはいけない。尊い生命の問題を共有し、つながって生きていきたい、いつも一緒に生きていきたいと思っています。そんな思いから、「いのちと環境の未来を考える会」を結成し、長野県八千穂で有機農業を営む織座農園と「ミツバチの羽音と地球の回転」の上映会に取り組んできました。
いよいよ9月9日当日。クッキングハウスのメンバー達がいち早くチケットを買ってくれ、晴れ着姿でいそいそとやって来てくれました。なんてやさしく、頼もしいことでしょう。そして、石川県津幡町から紅茶の時間の水野スウさんがちきゅうのキルトを抱いて、応援に来てくれました。ちきゅうのキルトを広げると、歓声がおこりました。
鎌仲ひとみ監督も、このちきゅうのキルトを敷いた机で講演してくれました。会場全体があたたかさで包まれました。新潟県関川村の近美千代さんからは、おもちゃ職人のつくってくれたミツバチが届きました。小さな羽音が確かに共振し合うのです。
祝島がスクリーンにあらわれると、海のように心が広がります。ひじき採りに、鯛の一本釣りに、田んぼに、豚の飼育に、びわの葉畑に、いつも働き続けている人との姿は、たくましく、明るく、いのちの営みです。原発に反対する運動も、28年間も日常生活の一部であるように、やり続けてきた人々の苦労からにじみでてくるあたたかさ。元気がでて、勇気の湧いてくる映画です。
こんな素晴らしいドキュメンタリー映画を、一人ではなくみんなと一緒に観たいと思って企画してきたことが、今、実現できている。会場いっぱいにしてくれた一人一人の方々に、心からお礼を言いたい思いでいっぱいになりました。ありがとうございます。鎌仲ひとみ監督の講演も、「心つないで」という演題にさせていただきました。上映会に集まった皆さんの心が、福島につながっていきました。
夜の笠木透さんのライブ「祝島賛歌」と、鎌仲ひとみさんのトーク。そして、ハッピーアワーの夕食の、祝島のひじき料理とたこ飯。忘れられない交流会となりました。私達が考え、選択し、行動を起こしていく時代にしましょう。
(松浦幸子)