〜学ぶプログラムがいっぱい〜
緑が一年中で最も美しい季節です。皆様お元気でいらっしゃいますか。
日々の活動は学びのプログラムでいっぱいです。「学ぶ」ということをクッキングハウスの活動の大切な柱にして23年たちました。
「教えるとは希望を語ること 学ぶとは真実を胸に刻むこと」(ルイ・アラゴン「ストラスブール大学の歌」)私はこの言葉を自分自身の信条にして生きてきました。クッキングハウスを開いた時、心の病を受けとめ理解し、自分の内なる偏見から自由になり、隠さないで堂々と生きていくためには、みんなと学び合うことなのだと活動の方向を決めました。できるところから始めようと、最初は地位や名誉に関係なくいい生き方をしている方をお招きしてのミニ講演会。長い間入院していたり、家からでられなかったメンバー達にとって人生のモデルに出会えた感動がいっぱいでした。
そして「キミ子方式の絵」。描き始めの一点を決め隣へ隣へと描き広げていく。紙が足りなくなったら足していき、余ったら切ればいい。それで構図のできあがり。絵が苦手と思っていた私も描けると知った時の心の開放感、満足感。思わず他の人の絵をほめてしまいたくなるところから気持ちのいいコミュニケーションが生まれました。最初の本「不思議なレストラン」に学びの感動のドラマがどんなに新鮮だったかを書きました。
心の病気で最も苦労していることは人とのコミュニケーション。対人関係が楽になれば大きな回復力になると始まったSST。前田ケイ先生の応援をいただき、今では家族のSSTや、当事者や家族、専門家・市民も共に学ぶスペシャルSSTとSSTのプログラムがいっぱい。
そして増野肇先生のサイコドラマ。月一回のサイコドラマで心の安定をはかる人も増えて定着してきました。
体のサインも大切なコミュニケーション。「楽健法」も3年目になりメンバー・市民の皆さん・スタッフ一緒に踏みあうことで学び合っています。
メンタルヘルス市民講座も毎回10名近い修了者の出る、当事者の体験も聞きながら元気になれる公開講座。今年は更にアップの「メンタルヘルス市民大学」もスタートします。
今春からスタートしたレストランの新人メンバーのコミュニケーション講座。
「よいコミュニケーションのめやす」を大きな声で読み、あいさつから始まる気持ちのいいコミュニケーションを練習しています。自己開示の深さの順序や私メッセージの伝え方を、新しいノートを買って一生懸命メモしているメンバー達。「回復し、希望していた快適な人生を送りたい」を目標に生き生きと学んでいる姿は、人間として輝いていて素晴しいのです。これからも、当事者が生きていくための学びをたくさんとり入れていきたいのです。
(松浦幸子)