ホーム > 心の居場所(2009年2月号)


〜良いことはカタツムリの速度で進む〜
5月30日の総会には
「NPO法人クッキングハウス会」設立

新年2009年がスタートしました。皆さまは、どんなスタートになったことでしょう。1月5日の新年会で、それぞれが新しい年への抱負を語り合いました。楽しい時間でした。

 私は、インドの自立を願って非暴力の平和活動をした、ガンジーさんの「良いことはカタツムリの速度で進む」という言葉がストンと心に落ちてきて、新しい年への抱負として話しました。心の病気をしても、人間らしくお互いに助け合い、可能性を発見し合って暮らしていきたいと始めた小さな居場所クッキングハウスは、まさにカタツムリの歩みでした。始まりの時は、12畳のワンルームを8万5千円の家賃で借りていました。それから5年後、家庭料理のレストランを開き、オープンな活動で市民と交流しながらメンタルヘルスの理解を広げ、偏見を取っていきたいとやってきました。もう、今年で22年目に入ります。

 依然としてクッキングハウスの3つの場所は、借りている場です。未だに「クッキングハウスの家」も持てていないのです。なんという遅々とした歩みでしょう。どうしてこんなに長くやってきて、みんなの家を建てることができなかったのかと自らを責めたりします。

 でも、私としては、メンバーたち一人ひとりの心の状態に添ってそれぞれのペースを大切にしていきたかったので、精一杯付き合ってきた年月でした。メンバーたちは、自分らしさを取り戻し、誇りをもって前向きに生きていけるようになりました。そうなるまで、22年間かかったのです。そんな歩みを肯定してくれたかのように、ガンジーさんの「良いことはカタツムリの速度で進む」が飛び込んできたのです。ガンジーさんも、インドの人々が植民地支配から自立していくために、自分たちが育てた綿を自分たちの手で糸にして、織って衣類を作って着ることだと、糸車を回し続けました。

 インドのどの家にも、どの場所でも糸車が回っていました。一人ひとりが自立し、そして互いに力を寄せ合って生きていくために、遠くを見つめ、これからも私たちのカタツムリのような活動に誇りをもって歩んでいきたいです。

 NPO法人「クッキングハウス会」の設立に向け、行政書士の曽我さんが、手続きの準備に入ってくれました。5月30日(土)クッキングハウス総会には、皆さまと設立祝いができることでしょう。「夢tomo」の理念づくりもすすんでいます。きっとたくましく、しなやかに活動していけることと思います。どうぞこれからもお付き合い下さい。(松浦幸子)

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