ホーム > 心の居場所(2006年2月号)

居場所の意味  
〜笑顔を取り戻してほしい〜

 
  寒い冬、みなさまいかがお過ごしですか?2006年、新しい年は新潟や北陸の豪雪のニュースでスタートしました。雪深い山里のひとり暮らしのお年寄りが、どこにもでかけられず、話し相手を求めていると思うととんで行きたい気持ちです。

 世界中で天災や事故、戦争でと人間の尊い生命が、あまりにも無惨に奪われることが多く、残された家族や友人や恋人の悲しみを思うと、クッキングハウスのような居場所があちこちにあったら、どんなに心癒されることだろうと思うのです。

 クッキングハウスのメンバーになりたい方の面接で、「私はずっとつらいことばかりの連続で、笑うことを忘れてきました。笑顔をとり戻したいんです。クッキングハウスに来た時、どの人もいい笑顔で、ああ私もここにいたら笑顔になれると思ったんです。」必死な目で語る言葉に胸をうたれました。

 私達の場は、一日中いろんなドラマが展開し、それらを笑うことで乗り切って来たように思います。悲しいことや、つらい出来事も笑うしかないこともあります。それが自然の雰囲気になっていることを、きっとこの方は直感的に自分の居場所になるところだと感じ取ってくれたのでしょう。

 どんなに対人関係がうまくいかなかった人も、この居場所で受けとめられ安心したあとは、少しずつゆとりがでてきます。そしていつの間にか初めてやってきた人を笑顔で迎えられるようになっているから、やっぱり不思議な場です。

 来年は20周年になります。当事者から夢と希望を届けられたら、どんなにいいだろうと願ってきました。自分の言葉で自分の今までと、今と、これからへの希望を書いて、一冊の本にまとめたいと企画しています。

 スタッフとメンバーとボランティアがパートナーシップの関係で歩んできた道も、振り返り今後を展望したい。そのためにはやはり、書く作業を通して自分を見つめてみることが必要でしょう。そしてもう一度居場所の意味を考えたいのです。今年は「全員が書いてみる」という課題でスタートしました。(松浦幸子)

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