ホーム > 心の居場所(2005年6月号)

2005年総会報告
一段とメンバーもスタッフも成長
チームワークがよくなった

正会員が増えました

クッキングハウスの総会は年に一度の密度の濃いお祭りでもあります。全国各地から、出席して下さいます。遠く、新潟から平田ゆかりさんも来てくれました。今まで賛助会員だった方が正会員になってくれたり、協力会員として通信を送っていた方が賛助会員になって下さったり、私達の活動を見ていて、納得されて応援してくれるようになったのだと思います。(正会員115名、賛助会員851名)

議長はメンバーの丸山君。大きな声と明るさが会場を活気づけてくれました。一年間の活動の報告も、短い時間内には語りきれないほどで、ポイントをしぼるのが大変です。振り返ってみると、よくこんなにやってきたなと思います。

どんな状態の時にやって来ても、安心して迎えてあげる居場所と、積極的に社会参加し、オープンに地域と交流するレストランや喫茶室や夕食会。たくさんの文化学習プログラムと生産的な活動とを、同時進行で毎日やっているのですから。

でも、前向きな社会参加を工夫して、なるべく明るく、自然体でやってきたことに、エンパワーされて、メンバー達が回復力をつけてきたのだなと、改めて思いました。

メンバー代表の運営委員に池田和子さんと丸山朋均さんが承認されました。池田和子さんは挨拶で、「松浦さんが開いてきた心の居場所を、みなさんと共に大切に育てていきたいです。」と笑顔で語り、感動の拍手でした。前、運営委員の吉岡豊さん、前沢真貴子さん、ごくろうさま。

無理解をなくそう統合失調症
NHK生活ほっとモーニングディレクター 大久保幸治さん講演

去年の番組取材で、すっかり親しくなった、なつかしい大久保さんが、奥さんと2才のなぎ凪君と一緒に来てくれました。家族も連れてきたくなるところが、クッキングハウスの包みこむあたたかさでしょう。みんな大喜びで迎えました。


大久保さんのお話

「7年間民放にいて、NHKにうつって3年目です。多数決の成立しない番組、少数でも希望している人がいれば、番組をつくるべきではないか、ゆっくり、1つのテーマに時間を割いて作ってみたいと思い、NHKに入りました。」

この企画は、他の民放でとりあげていない。我々にもわからないから無理解でいる。そこで『無理解をなくそう…』の番組がうまれた。
クッキングハウスのレストランに立ち寄り、あい子さんが話しかけてくれ、ぬくもりを感じ、その人の隣に寄り添うような姿勢でつくっている生活ほっとモーニングのめざすものと似ていると感じだ。当事者たちががんばっている。クッキングハウスの活動が街にとけこんでいるのは、なぜなのか取材したかった。

主人公は、手書きの黒板を毎日書いているあい子さんに決めた。
池田君が『風邪を引いたら風邪グスリを飲むのと同じように、精神科薬も気軽にのめたらいい』と言った言葉を生かしたいと、メール便の活動を密着取材した。その人を象徴とするものを生かして番組をつくっていくのだが、池田君のメール便の仕事のあとのタバコの一服もとてもよかった。池田君は本番に強いね。一番困ったのがSST。説明しても変だし、どうやって紹介したらいいのだろう。SSTは課題が変わるごとに主人公が変わるから、ぶっつけ本番でいくしかないと思った。思いがけなく斉藤君がキーマンに。斉藤君が最後の頃、手を挙げて夕食づくりでこれがやりたいと、自分からみんなに聞こえるような大きな声で言えるようになりたい。と課題をだした。カメラを回しっ放し。ふつう31カット位つなぐのだが、2カットだけしかつながなかった。映像の迫力だった。みんなと一緒に遊んだことがいい番組につながった。
 この番組の反響はすごくて、いつもの5倍位。しかもいい反響ばかり。『再放送してほしい。特にクッキングハウスのところを』『知らなかった』『無理解だった』『家族もよくわかった』たくさんの反響をいただき、初めてやって良かったと思った。ぼくのスタンスは、『知らないことを強みにしよう』、知らない自分がわかるまで教えてもらうことが、わかりやすい番組つくりにつながっている。

ディレクターの仕事は、関心のある世の中の出来事をとりあげ、先ず企画書をかく。企画会議に提案、青写真をつくる。プロデューサーが判断するが、カメラマンより先に現場に入り、いつもそこにいて、視聴者と同じ気持でみたり、編集したり生番組の構成表をつくり進行を考え、放送中は、副編集室で4台のカメラを前に指揮者をやっている。最初から最後まで、つながっているのがディレクターの仕事です。

ここのところ、『がんと共に生きる』という番組をやっていました。患者会ができ、互いのつらさや悲しさを語り合い、患者の力でがん医療が変わっていくところも取材した。これは、クッキングハウスのやっていることと同じ。当事者が発信していくことが大事。当事者のパワーが伝わっていけば必ず変わる。僕も応援したいとです。」


終始、私メッセージで大久保さん自身の体験したこと、思ったことを語っておられ、気持良く自然に聴けて、私達までいい番組づくりをしていた気持ちになりました。奥さんも、仕事に情熱を傾けている夫を尊敬しじっと聴いておられました。ますます素敵な家族になっていくことでしょう。車の中で「不思議なレストラン」をいつも聞いてくれたことも嬉しいことでした。

伸び伸びと一芸披露のパーティ

朝からの手作りのごちそう作りも、メンバーとのチームワークがよくなり、スムーズにいき、ひじきごはん、玄米赤飯、里芋バーグ、きびなごのマリネ、とり肉の七味煮、れんこんのエビ揚げ、関森さん家のスナックエンドウのサラダ、水ようかん、たくさん並びました。一芸も次々にとびだし、順番待ちをしています。

丸山君の六大学応援歌、池田君の「自由」、岩渕君のピアノ演奏、平田ゆかりさんの関川村に伝わる相撲じんく甚句、柏原さんの東京のバスガール、素子の東京農大に伝わる大根おどり など、みんな伸び伸びと一芸披露。上手、下手は関係ありません。一緒に楽しめて心が開放されていけばいいのです。 
(松浦幸子)

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