残暑お見舞い申し上げます。
大変な夏でした。東京は熱中症が続々出るほどの暑さが続き、新潟・福井は大雨での水害、原発での事故、そして今年1月私の訪ねたバングラディシュは大洪水で、食糧難の緊急生活支援を求めています。皆様の暮らしはいかがでしょう。クッキングハウスのメンバー達も、居場所と仲間とおいしい食事で、元気に夏をのりきってきました。
一人で暮らしているメンバーにとって、ホームヘルプサービスは強い味方です。週1回、2時間の家事援助(食事作り、部屋の掃除、トイレや風呂の水まわりの掃除、部屋の整理整頓、買い物)があることで、大きな安心をもらい、快適になり、生活の質を高めていけるのです。
調布市の精神障害者ホームヘルパー講座の最終回に、私とメンバーの池田和子さんが「地域で暮らす」ことをテーマに話をしました。一緒に地域で暮らし続ける事を一貫して応援してきたクッキングハウス活動のこと、心の病気になったことで抱えてしまう生活のしづらさ、ストレスにもろい部分を持っていること、しかし少しのサポートがあれば自分のペースで暮らしていける力を皆が持っていることを伝えました。小さなステップに区切って、一つずつやれるようになっていくと、範囲が見えるのであせらないで自分のペースでできること、今できている事を具体的にほめてあげると自信がついて、前向きに生きる意欲につながることなどを例を交えながら話しました。
更に、当事者がサービスを受けることが上手になることも必要で、相手を攻撃したり、傷つけたりするのではなくて、私メッセージで自分の今の気分を、ヘルパーさんに伝える練習をしていくと、人間関係が上手になる。このことを池田和子さんと私とでロールプレイをして見てもらいました。「気分調べ」と呼び、クッキングハウスでは仕事の前後に伝えあって、仕事がスムーズに運んでいます。
@へルパー 「おはようございます」
和子 「よろしくお願いします。夕べよく眠れたので今日の気分はさわやかです。」とにっこり。
Aへルパー「こんにちは」
和子 「心配なことができて、気持ちが落ち着かず、夕べはよく眠れなかったので、静かにしています。」と、沈んだ顔で。
このロールプレイで、ヘルパー受講者の皆さんは納得したという表情で、大きくうなづいてくれました。
池田和子さんの「ホームヘルプサービスを受けて心強く思っていること」の話は、とても自然な話し方と、内容が具体的でヘルパーさんにとってはすぐ現場で生かせることばかりで、大好評。受講後のアンケートでも、5の評価だったとのことでした。
「ヘルパーさんは、精神的に大きな安心感をくれる人。やってくる時間になると、今か今かと自転車置き場まで出て行って待っています。
そしてヘルパーさんは知恵袋です。
病気をして、働けないことであせり、一分と落ち着いて座っていられなかった私が、こんなふうに今、明るく暮らしていられるのはヘルパーさんの心強いサポートがあるからです。」と語りました。
最後に二人で"ふしぎなレストラン"を心をこめて歌いました。講座終了後、レストランにランチを食べに来てもらい嬉しかったね。
ホームヘルプサービスが普及して、どこに住んでいても、質の高いサービスが受けられたらいいですね。そのためには、私達も、サービスを上手に受けられるように、相手を尊重するコミュニケーションのスキルをアップしておく必要があるでしょう。(松浦幸子)