クッキングハウスからこんにちは No.211
(記事の一部抜粋)

2023年8月1日発行

統合失調症の理解 社会とつながって生きる
NHKハートネットTVフクチッチ 統合失調症 後編
Eテレ 8月14日(月)夜8:00~8:24

5月11日、NHKの取材がスタートしました。
統合失調症への理解をもっと広く伝えていくために、ハートネットTVで番組をつくる企画。
後編の「社会とつながって生きる」テーマでの取材協力を依頼されました。
当事者も家族も、隠さずに堂々と明るく生きていける社会になってほしい、と活動してきたクッキングハウスです。
レストランでのランチを食べて下さるお客様がインタビューに応えてくれたら、心の病気をしても共に生きていきたい願いが、更に広い理解につながることでしょう。
こうして取材を受けることに決めてから6月27日の私の最終インタビューまで、1ヵ月半に及ぶNHK取材とのお付き合いの日々でした。
クッキングハウスの紹介会~リカバリーを語り合う会~当事者研究会~「私のリカバリー 私達のリカバリー」CD制作録音会~スペシャルSST~
クッキングスターの土曜の昼食会~メンタルヘルス市民講座~メンバーへのインタビュー~レストランの日常は特に丁寧に取材。
朝8時45分、あい子さんが幸せの黄色いのれんをかける~朝の調理場面:メンバー達とスタッフとの野菜刻み、工藤さんの味噌汁の味つけ、開店準備の看板書き、
いよいよ開店まで~お客様の接客と楽しい会話~そしてお客様へのインタビュー~日替わりメニューの撮影~と続きました。
マイクを向けられたお客様が、ニコニコと快く気持ちを語って下さいました。
障がいをもった人も、もたない人も普通に一緒に暮らしていけばいいこと、クッキングハウスはそのことを実践している居場所であり、
お客様にとっても心地の良いあったかい家族のような居場所になっていること。
普段の慌ただしさでは、なかなか聞けないお客様の気持ちでした。
取材班の方々に私達のおいしい食事も食べてもらい、元気になり緊張もほぐれていく様子に、メンバー達も優しく声掛けしていき、楽しい交流の1ヵ月半でもありました。
それにしてもこのように盛りだくさんの場面をどのように短い時間内にまとめる番組にしていくのでしょう。
8月14日(月)の夜8時「ハートネットTV」が楽しみです。
各地の皆様、ぜひとも一緒に観ましょう。そして、感想をお聞かせ下さい。
(松浦幸子)

インタビューご協力 レストランのお客様に感謝

レストランのお客様も大勢インタビューにご協力いただきました。
快く取材に応じて頂きましたこと、本当にありがとうございます。
質問の内容は「レストランを利用していて、障がい者のイメージは変わりましたか?」とか、「利用してみて、どうですか?」「なぜクッキングハウスに食べに来るのですか」と言った、素朴な質問でした。
「障がいがあることは知っていますが、あまり区別する必要はないと思います。ここに来るとリラックスできる」「いろんな人がいて、アットホームでにぎやか」「子どもも好きな場所です。他のお店では障がいのある人をあまり見ません。障がいがあるからといって、サービスの質が悪くなっているわけではないし。社会の見方が変ってほしいと思います」「お腹いっぱいになり、豊かな気持ち、あたたかい気持ちになります。
当事者の痛みや、つらさを心からわかることは難しいかもしれませんが、少しでも理解したい。自分らしく働ける場所があることはいいことですよね」
いつものことなのですが、お客様から見ても、誰がメンバーで誰がスタッフかわからない。
自分たちの中でもあまり意識せず、調理や接客もそれぞれの得意なこと、できることを自然としているように思います。
お客様の声を聞かせていただき、改めて、クッキングハウスは地域に開かれていて、ちゃんと見ていてくれる、応援してくれているのだと本当に嬉しかったです。
放送されない部分もたくさんあると思いますが、皆さまが応えて下さった声を励みに、誇りをもって毎日を送りたいと思います。
(田村陽子)

「私のリカバリー 私達のリカバリー」CD制作
元気いっぱいの合唱で録音
6月14日、15日の2日間に渡り、CDの録音の大イベントです。
クッキングスターを録音会場にするので、前々日よりピアノも移動し、会場整備。
当日の朝、橋本勇太さん、佐藤ともをさん、早川和男さんが到着し、どんどん機材がセットされ、録音スタジオが出来上がっていきます。
増田康記さん、細田伸昭さんも到着。通しピアノ伴奏の青木紀子さんも落ち着いています。
メンバー達もたくさん並んだマイクに驚きながらも張り切って、元気いっぱい。“ほどほど音頭”から歌い始めます。
1曲ずつ練習し、より良くなるポイントを教えてもらいながら、本番録音。エアコンも止めて、心を集中させ、みんなと気持ちを合わせて歌います。
伴奏の最後の音まで聴いて、エンジニアの早川さんがOKのサインで手を挙げ、橋本勇太さんが「いいですよ」と言って下さると、ホッとしてエアコンを入れます。
暑い会場です。
こうして1曲ずつ録音が進み、16時には第一部の10曲と「不思議なレストラン」も歌い終わったのでした。
夕方にはキーボードの伴奏を重ねに松浦野歩が大学の授業を終えて駆けつけました。
スターの玄関の踊り場にテーブルを出してテラス席にして、ティータイムや夕食も、ここで録音スタッフに食べていただきました。
これも普段と違う楽しい思い出に。
二日目は朝10時から、非常勤スタッフや市民の中西万依さんも加わり、第二部の録音。
一日目と違い、しっとりと落ち着いた声になりました。曲に合わせていろいろな声を入れたいと、座る場所も変えながら進めていきます。
6曲を歌い終え、最後は穏やかにゆったりと“不思議なレストラン”を歌い、うたの録音は終了。
緊張・リラックスのバランスも良く、とても順調でした。
そして午後からは増田さんのギターやハーモニカ、松浦野歩のキーボードの伴奏が重なっていきます。
35周年の舞台から、さらにパワーアップした歌声となりました。ぜひとも、あなたのそばにおいて聴いてほしいです。
(松浦幸子)

みんなの力がつながって完成へ
6月26日、27日は、編集日。橋本勇太さん、早川和男さん、増田康記さんの3人が泊りがけで編集し、
69分のCDに仕上げていきます。
私達は、いいCDになりますようにと昼食、ティータイム、夕食の食事に心を込めてもてなしました。
それからはジャケットづくり、冊子づくりと、また大変。文字入力は会田美奈子さん、CDレーベルのイラストは松浦素子さん。
みんなが笑顔でテーブルを囲むクッキングハウスらしい場面の絵です。
デザイナーは、CD文庫「パパラギソング」でもご協力いただいた菊地雅志さん。
冊子のページをめくるごとに、歌のイメージに合った素敵な配色です。
林由佳里さんが、勇太さんと早川さん、菊地さんと連絡を取り合い、音源や印刷デザインのデータを
それぞれダイレクトにCD制作会社に入稿してもらえるように調整。
みなさんが力を合わせてくださったお陰で、早い入稿と完成につながりました。
「素敵な時間をありがとうございました」と早川さんからメールをいただきました。
勇太さんと、ともをさんも「CDの完成、楽しみですね」。
菊地さんも「これからも機会がありましたら、よろしくお願いします」とお手紙が。
こうしたプロの方たちとのつながりは、笠木透さんが私たちに遺してくださった財産です。
つながりの中で完成した私達のCDを、一枚でも多くみなさんにお届けしたいと思います。
(田村陽子)

仲間と共に心ひとつに
録音に集まったメンバー達は、増田さんの「間違えてもいいよ。その方がクッキングハウスらしいから」という言葉に励まされ、
又、35周年の舞台を最後までやり遂げて、たくさんのお客様に喜んでいただけたことが自信になっているのか、やっぱりここが安心できる居場所だからなのか、
不安や緊張がありつつも、どこかしっかりとした「芯」を感じることができました。
青木さんがピアノを、増田さんと細田さんがギターで、根本さんがウクレレで、松浦野歩さんがキーボードで「伴走」してくれていることも。
さらに、音響スタッフの勇太さん、佐藤さん、早川さんが私達に優しく寄り添ってくれたことも、大きな支えになり、のびのびと自分達らしさを発揮することができました。
録音・編集が出来上がり、視聴後のシェアリングでは、「皆の心が一つになっていて感動しました」
「仲間がいることで絶望が希望になりました。落ち込んだ時に、このCDを聴きたいです」と、語り合いました。
CDの録音を通して、新しい場面や色々な感情も経験し、多くの人と心を通わせ、私たちは又一つ少しだけ、強くやさしくなれたように思うのです。
(井出歩)




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