クッキングハウスからこんにちは No.187

2019年8月5日発行

 【 も く じ 】(青字の記事を抜粋してあります)
 ・ 巻頭言:巻頭言:東京新聞『にっぽんルポ』に大きく掲載
 ・ 動くクッキングハウスの学びと出会い
 ・ SST全国経験交流ワークショップin徳島
 ・ 吉本有里さんコンサート
 ・ 横井久美子さんコンサート
 ・ 文化座観劇「アニマの海」
 ・ イベントお知らせ
 ・ 文化学習企画
 ・ 動くクッキングハウス・各地からありがとう


文化座観劇 『アニマの海』
浄土の海になることを願って


石牟礼道子さんの『苦界浄土』を文化座が演劇として表現するという。
漁をしながら、慎ましく心豊かに暮らしていた日常を破壊してしまった水俣病。
豊かな海が“苦海”に変わってしまった。
公害の苦しみは、今もずっと続いているのだ。
もともと浄土である海なのに。

こんなにも重たい歴史を、どんな形で伝えてくれるのだろう。
とにかく、皆を誘って観に行こうと、観劇日を5コースつくった。
賛助会員の津田さんが
「今までの文化座で、一番いいわよ。演出もすごいわ!」と感動して私に叫んだ。

石牟礼道子役の姫路実加さん。
感情を入れすぎず、ある距離を保たなければと言い聞かせながらも、
水俣病に侵される人々と共に悶え苦しみ、
寄り添う姿を演じることは、とても難しいことだろう。

病に倒れた患者たち、
そして必死で看病する家族たち、
声に出すこともできない苦しい日常。

弱い人たちに寄り添うということは、誰かが表現して伝えること。
黙っていてはいけないのだ。
石牟礼道子さんは、水俣の人々の苦しみを引き受け、
その思いを、水俣の人々の言葉で、文学として表現したのだ。
“寄り添う”ことを今年のメンタルヘルス市民大学のテーマにして、皆と学び合うことにしよう。

(松浦幸子)

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