動くクッキングハウスin 新潟県関川村 いのちを大事にしよう~うつ病予防講演会~
「しむなよ(死ぬなよ)」と村をあげて自殺予防に取り組んでいる関川村。
私は去年も村の講演でいのちの大事さを伝えてきました。効果は数字となって出てくるものです。
おととし7人から去年1人へと自殺者は減りました。でも、ここで喜んではいけない。一人も自殺者を出さないことを決意して、活動を工夫しているのですから、関川村の人達はすごい。6月15日は「うつ病の予防」というテーマで、去年に続いての講演です。スタッフの田村陽子さん、有光梨紗さんも応援団で出かけました。
なんと6,407人の村民に全戸2,007戸配布の、ユニークなデザインの軍手ができていました。関川村の方言で、あたたかく包み込むような、いたわりの気持ちが伝わってきます。しかもこれは、SSTガイドブック・ウォーミングアップベスト10のラブレターゲームから発想してつくったものだそうです。
私は、とても嬉しくて、この軍手をはめて講演の冒頭で紹介しました。私の方言を、村の人達は、にこにこと聴いてくれています。
私が話したいと思っていた内容がすべて盛り込まれていたのです。本当に伝えたい気持ちは、方言がぴったりくるのだと納得しました。
翌日は個別相談会。宿から外を見ると、まだ植えたばかりの田んぼ道を、たくさんの人達が走っています。
関川村マラソンの日なのです。各地から約1,080人もの参加者が集まってくれたとのこと。去年の倍近くに増えたという嬉しい悲鳴。水田と荒川と緑の山々の美しい村があるだけで、何よりも素晴らしい観光地になるのです。相談を終えた後また外を見ると、誰もいない静かな村の姿がありました。さっきまでの、あの大勢の走っていた人達はどこに消えてしまったのでしょう。水田の小さな苗が風に揺れているばかりです。こんな美しい村で、みんなが一緒に助け合って生きているのです。 (松浦幸子)
マッシーの心の健康講座から安心できるグループづくり講座へ
第1・第3木曜日の増野肇先生の心の健康講座は、「マッシーの学校」として毎回、会場のクッキングスターが満杯です。一人ひとりが順番に今の気持ちや近況や困っていることを語っていきます。「困っていることを話せば、半分気持ちが楽になるし、嬉しいことを話せば、喜びは2倍になります。」と増野先生が誘ってくれると、すっと心が打ちとけて、自分の気持ちを話せるのです。
まず増野先生が一人ひとりの話を受けとめて共感してくれたり、ちょっとアドバイスをしてくれます。その呼吸がとても自然で、しかもユーモアがあり、いつも私は「マッシー劇場は素晴らしい」と感嘆しています。
ふたまわり目は、ひとまわり目の人達の話を聞いて思うことを話していきます。そして12時半のランチタイム。レストランのスタッフやメンバーが、心を込めて作った料理を食べながら交流。食後は円陣になり、コーヒーを飲みながらシェアリングです。ここでは、新しいテーマの話をしないで、この時間のグループの話に共感した思いだけを順番に語っていきます。
講座に参加している長谷川誠さんから手紙が届きました。
○せっかくだから せっかく3年間 共に学んできたのだから
○いっしょにみんなで 意見が対立することがない
○しんぷるな 小学生でも読める 簡単で
○ん~千円もしない
○ほっと一息つけて 心がほっとする
○けいけんを 積んだ人も読んでもらえる
○ん?なになに?ん?ちょっとまてよ と思う教科書をクッキングハウスで作りませんか?
クッキングハウス松浦さんへ 長谷川誠より
〈安心できるグループづくり 講習会〉
「人間関係の問題を考えるのには、SSTが一番いいですね。クッキングハウスのSSTに参加してみてください。そしてさらにイメージを用いて広い視野から眺めることができるのがサイコドラマです。どちらも役に立つ技法であり、仲間をつくることにもなり、楽しいですよ。いよいよ安心できるグループづくりの講習会も始まります。自分達で、そのようなグループを広げていく機会です。参加して、この輪を広げていきませんか?」と、増野肇先生の呼びかけで、全4回の安心できるグループづくりの講習会が行なわれました。
被災地の人達に必要なのは、安心して話せる仲間です。グループづくりの応援に行ける力もつけようと真剣に学びました。
① 円陣に座って語り合える環境をつくること
② リーダー、サブリーダー、記録係がグループをスムーズに運営していく
③ 自分の話したい気持ちを順番に話す。他の人は、いろんな感じ方、考え方、悩みがあることを共有して聴く
④ ふたまわり目には、他の人の話を聞いて共感したことや関連して思ったことを話す。(ここまでは左脳の働き)
⑤ こんどは右脳の活性化が必要。身体をほぐしていきます。(順番に体ほぐし)そして、うたいたいうたを出す
⑥ イメージの世界を広げる。「もう一つの地球」「魔法のレストラン」「リラックスできる場所」など。そこにうたも入れて歌います
⑦ シェアリング
増野先生のグループは、安心して自分の気持ちを素直に語り、他の人達の話にも共感していけます。イメージの世界を広げていくことも、心も体も楽しく遊んでいけるのですが、さて、自分がディレクターになってみると、見ているのとやってみるのとでは大違い。緊張し汗をかき、頭が真っ白になる感じです。“グループの声を聞きながら、グループに添っていくのです”と先生はアドバイスされるのですが。安心できるグループづくりは、実はとても深く、レベルの高い技術や気配りや包容力や、人間への信頼が必要なことなのだとわかりました。 (松浦幸子)