金沢市泉野のボランティア養成講座コミュニケーションワークショップも3年目となった。待っていてくれる人達が年々増えていくのも嬉しいこと。人とのつながりができてくると、コミュニケーションの学びもレベルアップしてくる。相手の話をよく聴き、自分のところに話す順番が回ってきたら、丁寧に話すということが自然になってきた。当初は円陣に座ることそのものに緊張が走ったものだが、円陣に座ることにグループの安心を感じられるようになってきた。
ウォーミングアップでは、「ここ空いているので、隣に座りませんか」と声をかける練習。SSTでのメンバーの課題で「大勢でおしゃべりしている時、輪に入れず孤立している人がいるのが気になる」から練習したものだったが、ウォーミングアップでとり入れてみたら、グループの緊張がほぐれて、和やかになることを発見した。ボランティア講座も、「声をかけてもらえると、とても嬉しい」とみんなにこやかな表情になった。
色紙を並べ、好きな色を2枚選び、自分をほめてあげたいことを2つ書く。それをペアになって交換し、相手に心からほめてもらう。自分で書いたものだから、とてもジンとくる。いつも地道にやっていて、誰からもあまり認めてもらえなかったことが表現できた喜びだ。
自分の不安に思っていることや、つらいことを相手に話し、共感的反応で聴いてもらう練習。ペアに組んだ相手は、聴くことの練習になる。
ちょっと認知の幅を広げてみたら、どんなに楽になるだろうか、という練習には、「三年峠」の寸劇をやってみた。ずっとこの講座の企画準備をしてきた福森さん。ちょっとだけの説明で、すぐにおじいさん役をこなしてくれる。三年しか生きられない、と思うほうが楽か。三年も生きられる、と考えたほうが楽か。
こんな練習をしていくうちに、ボランティアをしているどんな場面でも、コミュニケーションが大切なことがわかってくる。コミュニケーションの質が高くなると、自分も相手も心が解放されてくることがわかり、希望がみえてくる。最後のシェアリングでは、柔和ないい表情で、「こういう学びはとても気持のいいですね」と語ってくれた。(松浦幸子)
<ともの時間で曼荼羅(まんだら)を~in津幡町>
水野スウさんの「紅茶の時間」から広がった、コミュニケーションを学ぶ「ともの時間」は、10時から4時までの昼食一品持ち寄りパーティー。久しぶりに会うなつかしい人達。会う度に慈悲深い表情になっている、富山の「ほっころーん」のメンバー達。
10年前の大雪の日。富山に向かう「はくたか」が雪原の中で立ち往生し、5時間も到着が遅れたのに、重度の障害を持って生まれた悠衣ちゃんを囲みながら、語り合い、私を待ち続けていてくれたのです。その時、誰も帰らずに語り合えたことから、小さな会が誕生しました。「ほっころーん」です。
私は震える寒さの中で、あたたかい輪の人達に、「よく来てくれました」と迎えていただきました。遅れて申し訳ない、と思っている私に、「遅れて来てくれてありがとう」と迎えてもらったあの日のことは忘れられません。
悠衣ちゃんはあれから、みんなのあたたかい見守りの中で成長し、20才の誕生日を迎えました。絵本「悠衣」(絵・文:ひらたひさこ)は、悠衣ちゃんのお母さん、北嶋真由美さんの歩んできた人生と、心の成長を描いています。「安心して悠衣の命を預けられない、と思い込んでいた。自分が相手に委ねることができないだけだった。悠衣の生きる力も信じきれていなかった」と気づいた真由美さんは、悠衣ちゃんを入院させることができたのです。久しぶりに会った真由美さんは、美しく輝いていました。「入院して、私から離れ、たくさんの人のサポートで、悠衣の生きる力がぐんぐんでてきたのです」と語ってくれました。私も安心して、一人の素敵な女性、真由美さんと話ができました。
「ほっころーん」のメンバー達は、水野スウさんの応援で、互いの抱える問題に共感して、一緒に考えることを学びあっています。素晴らしい富山の女性達のことを思うと、喜びが湧きあがってきます。
「娘が、体調も心も具合が悪くなり、里帰りしてくる。どう迎えたらいいだろうか。このことで楽になれないと私は帰れない。」とつらそうに語るお母さんに、増野肇先生のサイコドラマで学んだ曼荼羅(マンダラ)をやりました。「ほっころーん」のみなさんがいてくれたので、あたたかい曼荼羅ができました。未来の自分が、「私、とっても忙しくて、張り切って働いているのよ」と声をかけてくれると、喜びの涙があふれてきたのです。「ああ、よかった。明日、娘が来たら、にっこり迎えて抱きしめてあげられます」と、お母さんは帰っていきました。(松浦幸子)
〈各所からレポート〉
〈夏のレストランにぜひいらしていください!!〉
クッキングハウスを応援してくださる方々からの、新鮮な野菜をたくさん使わせていただきながら、みんなで心をこめてからだにやさしくて、元気になれるランチを作っています。魚や肉の梅酒煮や味噌漬け焼き、蒸しなすの梅味噌がけ、すりごまたっぷりのきゅうりのナムル、さつまいもと切り昆布の煮物等、すべて手づくり。玄米と一緒に梅や味噌、ゴマや海藻類をたくさん使うようにしています。「おいしかった!」と満足そうなお客様の笑顔で、私たちも元気になれます。ぜひ、夏のレストランにご来店ください。(井出歩)
〈最近のスターの様子~人気の夢tomo喫茶〉
最近のクッキングスターは、木曜日と金曜日の夜の夢tomo喫茶が人気!スタッフがミーティングやハッピーアワーでいないことの多い時間帯ですが、メンバーが集って、一杯100円のお茶を飲みながら、語り合ったり、トランプをしたり。セルフヘルプの良い時間になっています。
また夏にぴったりのスターでのヒットメニューは「鶏手羽元のお酢煮」です。これは、石川県の講座から戻った松浦さんのお土産話の中で、「水野スウさんの一品持ち寄りのお昼がとってもおいしかったのよ。鶏肉のお酢煮は、すぐできるからやりましょう。」と早速作ってみることになったもの。材料をそろえ、松浦さんが調味料を入れていくお鍋をみんなでのぞき込みます。酢と醤油を同量ずつ、お水をその半分、お砂糖はお好みでというシンプルレシピ。みんなからも大好評!「おいしかった。家でもやってみる」「スターの定番になりそう」と盛り上がりました。(林由佳里)
〈ギフトのクッキーが大好評~ティールームのみんなで頑張って作っています〉
国産の厳選された材料を使って、丁寧に手作りしているクッキングハウスのお菓子。納品先も去年より増えました。そんな中、ある地元の企業からギフトのご注文。福祉センターに置いてあるクッキーが、「とてもおいしくて、これならお客様のギフトに使える。」ということでした。皆で大感激、やる気がわいてきました。
日替わりで作るケーキも、メンバーから「これを作りたい。」と提案も増え、バリエーションも豊富に。厨房仕事だけでなく、クッキーの袋のシール貼りなどの地道な作業を一生懸命やってくれる人、メール便の仕事をきっちりこなしてくれている人、洗い物やお掃除をしてくれる人。自分のペースを大事に、体調に合わせそれぞれ一日をすごしています。おいしいお茶を入れて喫茶も営業しています。ご来店お待ちしております。(直志美樹)