2009年2月19日(木)曇り。東京都府中市にあるグリーンプラザけやきホールでの笠木透コンサートは、立見が出るほどの超満員の客席でした。
昨年9月19日の一回目のコンサート実行委員会の時は、これほどお客様が入るとは、予想できませんでした。コンサート終了後に、ほとんどのお客様が笑顔で「良かったよ」といって帰っていって下さいました。
最初の実行委員会の時、府中グリーンプラザけやきホール約500席が満員になるのかなと私は思っていたら、スタッフの田村陽子さんが「満員にするんです。必ずなるんです。満員にしなくてはいけないのです!」と強い口調で言っていた。すごいと思った。
そしてそれから今回、笠木透コンサート実行委員長でもある松浦幸子さんは、クッキングハウスに来るお客様にチラシを配り、「コンサートがありますよ」と必ず声をかけ、毎日のプログラムで人が集まると、必ず宣伝しチケットを売りまくっていました。
レストランのスタッフの林由佳里さんも、仕事のウエイトレスの合間に常連のお客様に声をかけ、チケットを買ってもらっていました。
コンサートの開場が18時で開演が18時30分ということもあって、小腹を減らして来られるお客様もいるだろうということで、レストランで手作りのおにぎりセット(おかず付き)をワンコイン500円で販売することになり、なんと当日は販売開始30分ほどで100食すべてが売り切れました。このおにぎりを作るのにも、レストランの仕事の合間にスタッフとメンバーが計りを持ってきておにぎりの重さを量り、どれだけの大きさにしたらコストも味も満足して美味しく食べてもらえるか研究していました。
そしてコンサート前夜。夜の部のクッキングスターで夕食を食べていると、コンサート事務局にもなっていたスターに問い合わせの電話がジャンジャンかかってきていました。スタッフの田村さんや有光さんが、夕食をとろうとしたら電話。電話を切って食べようとしたら、また電話。それでも彼女たちは、丁寧にひとりひとりに対応している。僕にはできないなあと感心しました。みんな忙しくても実に楽しそうにコンサートに向けて様々なことに対応しているのを見て、これはクッキングハウスが松浦幸子さんを中心に「一枚岩」になって取り組んでいると思いました。スタッフの誰かひとりでも「コンサートなんてどうでもいいや」と思っていたら、「一枚岩」は崩れていたことでしょう。
今回のコンサートを終えて思ったのは、女性のパワーはすごいなあと思いました。ちなみに私は、コンサートにたくさんお客さんがくればいいなあと思っていただけでした。最後にコンサートのチケット管理を引き受けてくれて、チケットすべての集計を最後の一枚までキッチリ計算してくれたティールームの小林葉瑠さんありがとう。(吉岡豊)
今、当事者会「夢tomo」では今後の活動の指針となる理念を作っています。日本国憲法の形に習って、まず前文が出来上がりました。そして夢tomoのtomoに含まれる「tomorrow(明日)」「友だち」「共に」をふまえて、
@未来は自分たちで選ぶ A仲間同士で助け合う B共有しながら
という三つの項目を作りました。3月25日の会では、@「未来は自分たちで選ぶ」とあるが、どんな未来を選びたいか?について皆の感じることを語りあいました。
「安心」「争いがない」「努力が報われる」「人の役に立っていると実感できる」「働いて充実できる」「人とつながっている実感がある」「自分らしく元気に生きられる場所がある」「未来」「自分を受け入れてくれる人とつながって、回復できる」「辛い体験が無駄ではないと実感できる」「つながりが実感できれば、一人の時間も安心して過ごせる」「病気をしても居場所があれば未来につながっていける」「病気で辛い時は、歌ったり笑ったり語ったりなんてできなかった。そんな失っていたことを取り戻した体験を皆に伝えたい」
このように、みんなの思いが言葉になってあふれてくる様子に、私はいつも感動しています。それぞれの思いが、語り合い話し合う中で、段々と一つの理念という形に出来上がっていきます。その過程を一緒に共有できることは、私自身の元気にもなっています。皆の声を拾って集めることを丁寧に進めながら、まもなく理念ができあがります。皆さんもぜひ応援してください。(竹内高子)
クッキングスター開所以来、「家族SSTをやりましょう。家族の学びのチャンスをいっぱい作らなくてはね」と、熱い思いで語って下さった前田ケイ先生をリーダーに、11年間家族SSTが続いてきました。毎回新しい家族の参加を歓迎し、セミオープンスタイルで25〜30名の家族で語り合い、情報を共有しあい、SSTで当事者とのより良いコミュニケーションを練習してきました。前田ケイ先生のお陰で、家族のみなさんは本音で語れる場を持てて元気になり、大変な状況を明るく柔軟に生きていけるようになりました。当事者への理解が深まり、共感をもって当事者の話が聴ける力がついてきました。長い間のようでいて、あっという間の年月だったなあと思います。前田ケイ先生、ありがとうございました。前田ケイ先生の家族SSTは終了しますが、松浦が引き続きおこないます。前田先生には、今後も当事者も家族も専門家も市民も共に学ぶスペシャルSSTとして、クッキングハウスに来ていただけることになりました。
4月からは、家族の皆さんの自主的な学びとして、テーマを月ごとに決めながら松浦や、クッキングハウスのスタッフやメンバーたちが応援します。毎月会うのが楽しみで、当事者をサポートする心の安定が保てるような会にしていきましょう。
これからの予定(毎月第4木曜日を予定)
・ 4月23日(木)「当事者が友だちを作りたいと言っている時」
・ 5月28日(木)「家族に暴力をした時の受け止め方」
・ 6月24日(水)「当事者のお金の使い方」
・ 7月23日(木)「体重の増加・食べることのコントロールがうまくいかない時」
・ 8月27日(木)「性についての衝動〜性教育」
時間:13:30〜15:30 場所:クッキングスター(042-498-5177)
参加費:2000円
今後、新たに家族のセルフヘルプグループを開きます。じっくり語りたい方たちのために、狩野明子さんと松浦幸子がお手伝いします。(クッキングスターにて11:00〜12:30 レストランでのランチもどうぞ)
前田ケイ先生と学んだこの10年
〜家族から感謝の思いを〜
前田ケイ先生の家族SSTには、最初から参加させていただきました。私にとってのSSTはどんな場だったか、お話します。はじめは泣いていた方が、回を重ねて落ち着かれ、笑顔をみせてくれたことを皆が一緒に喜び合うような、気心の知れたほっとするひとつの家族のような場です。
2003年12月には、宇都宮で開かれたSST学術集会の前田先生、松浦さんのセッションに仲間3人と参加し、家族SSTのデモンストレーションの経験もしました。
息子の病気と付き合いだして20年近くになると、ここまで何とかやって来たという自信や自負のようなものが出来てきます。ともすれば、惰性や馴れで、考えなしに本人に接することもあります。SSTは、自分のあり方を見直す場でもあります。また、精神保健福祉の動きを知らせて頂き、希望と勇気を持てる場にもなっています。
親子関係については、長男と夫との間には、心のすれ違いや葛藤があり、私も心痛めた時期がありましたが、症状の落ち着きと共に、適切な距離のとれる関係になってきました。今では、息子もアパートでの一人暮らしが10年になり、家族とも大人同士として互いを思いやる和やかな関係になっています。
前田ケイ先生、本当にありがとうございます。(狩野明子)