クッキングハウスからこんにちは No.106

目次(青字の記事を抜粋してあります)2006年2月14日発行

目次
巻頭言 居場所の意味…1、目次…1、リリー賞授賞式…2、メンタルヘルス市民講座…3、
動くクッキングハウス日記…4、田邊順一さんミニ講演…6、「木を植えましょう」正木高志さんのお話…7、
「自立支援法」学習会…7、健康教室「注意サイン」…8、前田ケイ先生SSTビデオ教材収録…9
ピース9な報告…10、イベントのお知らせ…11、松浦幸子講演スケジュール…12、
各地からありがとう…12、お休みのお知らせ…12


第2回精神障害者自立支援活動賞(リリー賞)  授賞式

 
 2005年12月9日(金)はリリー賞の授賞式。場所は丸の内の東商スカイルーム。  
 私は正会員の藤原晶子さんに着付けをしてもらい着物姿で行きました。去年第一回目で受賞された方々と選考委員の先生達に迎えていただく。佐藤光源先生は統合失調症に名称変更のキーパーソンになった先生だ。アンチスティグマ研究会事務局、イーライリリー製薬会社のスタッフ達が、大変丁寧に最初から最後まで案内して下さりこの賞に託した熱意が伝わってきた。
 アンチスティグマ研究会は、2003年1月に設立。日本精神神経医学会と世界精神医学会の合同事業。精神障害に対する偏見是正のための方略を研究し、精神障害者の社会参加の促進を目的とした教育や啓発活動を行っている。代表は佐藤光源先生。受賞者のみなさんもそろい名刺交換とあいさつ。晴れの日のせいかどの方もやや緊張しながらもいい表情である。

選考委員
佐藤光源先生
  (東北福祉大学大学院精神医学講座教授)
保崎秀夫先生((財)日本精神保健連盟会長)
浅井邦彦先生((財)日本精神保健連盟常任理事)
滝沢武久先生
  ((財)全国精神障害者家族会連合会参与)
西村由貴先生(慶応義塾大学保健管理センター講師)
大谷昭宏さん(ジャーナリスト)

受賞者 [精神障害者部門]
石山勲さん(東京都三鷹市)
 スピーカーズ・ビューロー岡山(岡山県岡山市)
[福祉活動部門]
 ハートインみやぎ実行委員会(宮城県仙台市)
 松浦幸子 クッキングハウス
[地域医療部門]
 織田信生さん(高知県高知市)
 みなとネット21(東京都港区)
 
 会場ではたくさんのカメラマンに混じって腕章をつけた田邊順一さんがにこにこと迎えてくれた。クッキングハウスの専属カメラマンだ!田邊さんがいてくれたら緊張しなくてすみそうだ、と嬉しくなる。   
 片桐さんと息子の公平さんがスーツ姿で会場に到着していた。初めて会う公平さんは堂々とした体格で、スーツ姿がよく似合う。思わず「公平君はとてもハンサムですね」と感激してでた言葉が私の初対面のあいさつとなった。公平さんはずっと病気からくるつらさに一人で耐えながら、お父さんの受けとめとクッキングハウスの活動の情報を希望につないですごしてきた。
 リリー賞の申請書類もお父さんに協力し「是非申請すべきだ」と受賞できる確信をもっていたという。その確信通りになったのだ。是非とも授賞式に来てほしい、会えるチャンスだ。公平さんはスーツを新調し、名刺の渡し方やあいさつの仕方をお父さんと個別SSTで練習して来てくれたのだ。会えてよかった。最初の出会いがリリー賞授賞式という晴れの日だったことは、人生の記念になるだろう。
 公平さんは、まだ外に出ていろんな人に会えない状態でいる入院中の人や、引きこもっている若者たちのために、アイポットでつながっているよ、という思いを伝えたいと研究しており、そのことを懇親会の席で佐藤光源先生に話すことができた。
 斉藤君もごった返している会場に「クッキングハウスの者です」と受付に伝えて入ってくることができた。ぴしっとスーツ姿でかっこいい。(もっと大勢いに参加してほしかったが私を含め5人だけということで残念)公平さんを紹介。ゆっくりと時間をかけいい仲間になってほしいと願う。
 選考委員の大谷昭宏さんは、どれも水準が高くしぼりこむのに苦労したが、最後の決め手にしたポイントは「根暗にならず、あきらめず、粘り強く活動しているところ」だったというコメントをして下さった。まさにクッキングハウスの18年間の活動そのものを表わす言葉だなぁと思い、18才の誕生日プレゼントとして心から喜んでいただこうと思った。
 そして明日からの活動の前向きなエネルギーにしていきたい。
 2006年の年賀状も「リリー賞受賞おめでとう」の喜びにあふれていた。全国各地で私達の心の居場所を応援してくれている賛助会員のみなさんも、こんなに喜んでくれている。元気に生きていくためのみなさんの心の糧になっていてくれたらこんなに嬉しいことはない。(松浦幸子)
 

田邊順一さん写真展
  「クッキングハウスの旅シリーズ」記念ミニ講演
 〜居場所を探す旅〜

今、ティールームとクッキングスターでは田邊順一さんの「旅」の写真展を開催中だ。私たちに生きる力と人生の楽しみをいっぱいプレゼントしてくれる旅。クッキングハウスのメンバーは今度行く旅を楽しみにお金をためたり、体調を整えたりしている。田邊さんは、そんな旅に一緒に付き合って、思いがけないメンバーの輝く表情を発見して写真に撮ってくださった。八丈島、屋久島、新潟の関川村の旅の写真は明るくて、みんなの笑顔がやさしくて、見ていると生きているって素晴らしいと元気が湧く。
 
 1月19日の公開紹介会に田邊順一さんが「クッキングハウスの仲間との旅」を語って下さった。「旅は心を解放してくれる。若い時は何の計画もなく足の向くまま気の向くまま旅をしていた。路銀さえあればなんとかなった。まだ盛岡あたりは馬車が走っていた。旅から帰ってくると心が落ち着いた。何のための旅だったのか。きっと自分の存在を確認するための旅だったのだろう。ある時からそんな旅ができなくなったのは、カメラを持つようになってからだ。カメラを持って歩くとまた別の世界が見えてきて、旅にまさるものがカメラになった。しかし心の中では、カメラを持たずに出かけた旅がなつかしく、また出かけたいと思い続けていた。

 そんな思いでいるところにクッキングハウスのみんなとの旅があった。ひとりひとりの表情がどんどん解放されていくのが実にいい。そんな表情になれるのが旅なのだと思った。「奥の細道」にあるように旅にはロマンが感じられる。屋久島にみんなと出かけ、何かをしようという気は全くなく、日常とちがうところに身をおいてみる。縄文杉の森に入るのに裸足になって歩き、最初は足の裏が痛かったが、だんだん足も体中もあたたかくなってくるのを体験したり。そんな旅を一緒にしているうちに、私にとっても、みんなとの旅が居場所なのだと気付いた。」
 心が満たされるお話だった。女性だったらビューティフルに撮りたいというお話も人間への慈しみが伝わってきて、聞いているお客さまの顔も和んできた。これからも私達の旅を田邊順一さんと一緒に続けていきたい。(松浦幸子)

クラブハウス学習会で「自立支援法」を学びました

1月のクラブハウス学習会は、「自立支援法について」でした。クッキングハウスのメンバーの他に、家族のかたや12月発行の通信を見て一緒に学習したいと申し込まれたかたも含め、スターのフロアーは40名以上の参加者で一杯になりました。この法律の内容や行方について、だれもが関心と不安を抱えていることがわかりました。参加されたご家族の中には、議会を傍聴したり、精神障害をもつ人の生活の現状を話してまわったりと積極的に活動しているかたもいらっしゃいました。

 「自立支援法」の利点は、今まで利用できるサービスの少なかった精神障害をもつ人も、知的障害・身体障害をもつ人たちと同じようにサービスを受けられる可能性を含んでいることです。

 しかし一方で、通院医療費公費負担制度(精神保健福祉法第32条)が変更になり、世帯の収入によって、およそ1割の自己負担が生じるなど経済的負担や、それに伴う書類等の煩雑な手続きが増えてしまいました。クッキングハウスのメンバーの家にも、調布市や東京都から申請書類が届いています。

 学習会は、松浦さんからの「自立支援法」の説明だけに終わらず、フロアーのメンバーやお客さまからも次から次へと手が上がり、たくさんの質問や積極的な意見交換の場となりました。「今まで32条があったから、安心して医療が受けられた。32条がなくなるのは心配」「書類が山ほどきて、何から手をつけていいのか混乱し、スタッフに相談しました」「親から自立したいと思っていたが、世帯単位の収入ではそれも難しい」「自立支援という名の法律なのに、これでは心配で自立できない」「なぜ当事者の声が反映されないの?」などなど・・・。

 最後に松浦さんが「3年後の法の見直しに向けて、当事者や関係者の声が届くよう、これからも一緒に勉強していきませんか」と呼びかけると、満場一致で賛成!との声があがりました。こころ優しい文化の発信ができる居場所を続けるためにも、今後もみんなで学習を続け、みんなの声が届くよう努力していきたいと思っています。(田村陽子)

前田ケイ先生リーダーの
  クッキングハウスSSTがビデオ教材に

 2月2日クッキングスターにて、ルーテル学院大学の前田ケイ先生がリーダーをするSSTのビデオ収録が行われました。これは同大学の福島喜代子先生の企画により、前田先生のSSTをビデオ教材にしようというもの。クッキングハウスのメンバー8名と松浦さんが協力してのビデオ撮影でした。

 この日のために散髪に行ったり、髪を染め直したり、年間を通じてみられるビデオになるように冬物を着ない工夫をしたり、皆それぞれに準備をして当日を迎えました。
 朝は9時過ぎから、撮影スタッフがクッキングスターにつめていました。明るくなるように照明を工夫したり、カメラも目線と同じ高さのもの、上から撮るためのものと3台入っています。音声の人は長いマイクをずっと持ちながら、みんなの声をひろっていく調整をしていました。

 いよいよスタートしたのは、11時。シーンと静まり返ると飛行機の音が!音声さんが、「飛行機が行かないとダメですね。」と少し待ってからの始まりでした。
 ウォーミングアップ→報告→課題 といつもの順序で前田先生が進めていきます。みんな少しだけ緊張気味。でも「いつものような感じ」を損なわないように、自然な感じで頑張っていました。
 グループでの撮影が終わると、個別SSTの撮影。「はじめまして、と挨拶をしてから、もう少し自己開示をして相手と話す練習」をしました。

 終わってみての感想では、「カメラが3台もまわっていて初めは緊張していたが、だんだん余裕が出てきてモニターも覗けるようになった。」と岩渕さん。斉藤さんは「NHKの撮影で慣れたのか、カメラも収録しているときは気にならなかった。4人ぐらいのグループでの会話に、自分が知らない話題でも入っていくという練習ができてよかった。」池田明弘さんは「これは大事な仕事だからと頑張った。SST自体はいつもどおりやれば、大丈夫だと感じた。」と話してくれました。
 クッキングハウスでSSTを始めて10年。この場にSSTが定着して、メンバーも継続して練習してきたからこそ、大舞台でもみんな堂々とできたのだな、と感じました。

 「SSTの普及にはぜひとも役にたちたいから。」と日頃からの思いがあり、参加したのはメンバーの豊川さん。みんなの気持ちが集まって収録されたビデオです。
 素敵な教材になるといいなと、期待が高まりみんなでできあがるのを楽しみにしています。(林由佳里) 

♪クッキングハウスの ピース9な話題♪
  Part1 ピースナインCD録音コンサートin結城市
〜平和への思いがCDになります!〜

 昨年の夏、上野水上音楽堂で開催された「ピースナインコンサート」では、我々クッキングハウスも、憲法9条にちなんだオリジナルグッズ制作販売や、テーマソング「ピースナイン」の振り付けをしてゆかた姿で披露するなど、共に楽しみながら参加しました。その後も、毎月9のつく日は「平和ランチの日」として、玄米赤飯やレンコン料理をレストランで提供してお客様に喜ばれています。

 そして今回、笠木透と雑花塾の皆さんの平和への思いを込めたCDを作るというのですから、黙ってみているわけにはいかないですよね!というわけで、行ってまいりました、茨城県結城市へ。
 まず最初は、和太鼓の生演奏でバージョンアップした「ピースナイン」音頭で始まりました。雪深い新潟県関川村からかけつけた「ままや」の皆さんも合流して、踊っていると、会場のみんなも自然と手が動き始めます。あの振り付けができてから、会場の一体感がますます盛り上がるようになったと、自画自賛しています。

 「戦争の放棄」、「平和」というテーマに添った曲が演奏され、曲と曲の間に語られる笠木さんのお話もジーンと私の中にしみてくるものがありました。私達は戦争の被害者でもあったと同時に、加害者でもあったのだということ。戦って勝ち取るという考え方では「平和」は実現しないということ。暴力の連鎖を今私達で断ち切る勇気が必要だということ。

 難しい理屈ぬきに、私達が生き生きと自分らしく幸せに生きていくには、なにより「平和」であることが大切なのだと実感しました。そして「平和」は天から降ってくるものではなく、自分たちで守っていかなくてはいけないんですね。
 そんな大事なことを感じられるコンサートのCDの完成がとても楽しみです。

 発売されるCDには、クッキングハウスの通信のイラストでおなじみの松浦素子さんの絵で、「ピースナイン音頭」踊り方イラストがもれなく付いているそうです。 
 皆で歌と踊りを覚えて、夏に上野で開催されるコンサートで私達と一緒に歌って踊りませんか?CDもすばらしいのですが、生演奏はもっと最高!です。皆さんと夏にお会いするのを楽しみにしています。 (竹内 高子)


<<ホームへ戻る

<<通信一覧ページへ戻る