クッキンングハウス25周年記念コンサート


とき:2012年12月15日(土)
午後1時30分〜4時30分
ところ:調布市グリーンホール

出演 松浦幸子と
      クッキングハウスの仲間達
   笠木透と雑花塾(うたと演奏)
   田邊順一(写真スライド上映とお話)

ゲスト 増野肇(精神科医)
    水野スウ(紅茶の時間主宰)
    西野博之
     
 (NPO法人たまりば代表

特   集
   
25周年コンサート・CD出版・写真集出版に寄せて

〜たくさんの感動メッセージを頂きました〜(敬称略)



 感動的な写真集でした。田邊さんが昔からいわゆる“弱者”といわれている人たちに温かい目を向けてきた写真家であることは知っていましたが、今度この写真集を何度も見かえして、田邊さんが“弱者”をカメラに収めようとしたのではなく、“弱者”などという意識などまったくなく、人と人の間にある目に見えない壁を突き抜けて、ズバッと人間そのものに目を向けている、という感じです。うつす人とうつされる人が別々のものでなく、一つになっているような感じさえするのです。うつす人とうつされる人の深い信頼があるからでしょう。こういう写真がとれるまでには、長い時間がそれまでにあったのだろうな、と思いました。こういういい顔をたくさん定着できるには、濃密な時間の堆積があったにちがいない、と思いました。 
それにしても、登場する人たちの笑顔は何と素敵なことか。人間の生きる意味をシンプルに、笑顔でズバッとあらわしています。笑顔は人間にとってごく当たり前の、日常的に出会うものなのですが、こうして1ページ1ページにうつしだされると、大きな花束をもらったような気がします。この笑顔が私のすべてだ、この笑顔があるから生きていける、この笑顔でほかの人と心が通わせられる…そのように見えます。その意味で、「心の居場所」「伴に」はとりわけ感銘深いページでした。この笑顔の写真に添えられた田邊さんの簡潔な文章も実に良かったです。
その人の人生のすべてが詰った笑顔、生きてきた証としての笑顔、それを短い文章がそっと支え、見る人の理解を手助けしてくれます。写真と短い文章で、私は人間の深さ、人生の不思議さを感じることができました。田邊さんの誠実さがこのような笑顔を招きよせ、1つの写真集として結実させたのだと思います。「クッキングハウス会」にとっても大事な記録となり、将来への大きな足がかりにもなりそうな気がします。 
 (岡崎満義・文藝春秋・田邊順一さんへの手紙より)


第二部から聴かせて頂きました。調布グリーンホールのドアの前の時点で、「どうぞー」とドアを開けてくれた。既にあたたかい。
 南の島のパンケーキ屋さん、1曲目で涙が出た。フラダンス、色とりどりの衣装で明るい笑顔のメンバー。いつも何気なく昼のランチタイムにお会いするメンバーが笑顔で胸張って必死にやっている。広島のメンバーがギターを弾いている!最初で打ちのめされた。既にみんなかっこいい!と正直に思った。そして、普通に聴けるじゃないか!メロディアスだ!感動したのは曲の構成ではない、メンバーひとりひとりから発せられる気の流れだ。それに触れてしまったのだ。
もう涙腺が止まらない。励まさなきゃいけないんじゃないかと考えてしまうが、逆に聴いている方が励まされているじゃないか!?これは、素晴らしいと思った。これが人間の豊かな心から発せられる正のエネルギーだと感じた。個々のメンバーの本物の心の底からの叫びなんだと確信した。
八丈島の海。松浦さんの説明が入る。もうここにはいないけれど、その海でピンクの楽しそうな姿が想像できる。前向きに死を捉え、受け止めて、進み浄化していくような、そんな気持ちになった。生きることは、今という瞬間を一生懸命生きることと改めて教わった気がした。
幻聴ルーム。これは清志郎のロックにもつながるような深刻な苦しみをロックに乗せて前向きに吐き出す。笑ってしまったけれど、これは幻聴が聞こえた人にしかわからない経験をさせてくれる、理論的な説明を言葉でするよりも、音楽を通した方が伝わることもあるんだ。歌詞は重いが、前向きにさせてくれた。
ごめんね塩ちゃん。がんばれ俺!いつもお会いする方がソロで始まった!声に緊張や歌の気持ちが乗っていて気持ちが伝わる。塩ちゃんは、いじめられっこなのか、歌詞は凄まじい。ほんのちょっと勇気を持つだけで変わるのに、それがなかなかできないこと。行動しないで後悔するよりは行動して後悔せよ。そんな気持ちになった。
もう、ここから、アンコールまで涙が出っぱなしで、感動したとしか覚えていない。私の心の居場所を聴いて帰ろうとしたが、この会場の雰囲気はクッキングハウスのメンバーやここにいる人全員が作り出しているものだと確信して、次の予定を遅延して最後まで聴くことにした。
ここへ来て、みんなの生きることに対する勇気、正直さ、ひたむきさ、どこかで泣いているのだろう…社会に対して疎外感を感じている瞬間があるだろう…でも前に進む。そういう強さと、みんなの作り出した歌を通して、社会との接点を持ち、自身の足で再び踏み出してゆく、それが歌を通して伝わってきたから、涙が出たのだと確信した。   
 (古水孝尚・東京都)


心の病を医療の閉ざされた空間のものとせず、社会に居場所を発見するのを助けて下さっていることに、ありがたく思います。写真集も、おひとりお一人の心の幸せがあらわれていてすばらしいと思いました。
 (西園昌久・福岡県・心理社会的精神医学研究所)

明るい歌声が心底にひびきました。すてきなコンサートありがとう。  (吉田忠文・東京都)

居場所の始まりからの松浦さんの熱い想いと信念、そしてたくさんの苦労を知っている者として、心からの敬意と御祝を送ります。あの時、松浦さんが始められたことは、あの頃の時代を考えると、つくづくすごいことだったなあと、今更ながら思います。 
 (鈴木純子・東京都)

ステージを観ながら、うたを聴きながら、お話を聞きながら、「笑顔」ってどんなに大切か、どんなに人を元気にし合えるか、改めて感じ入っていました。私も、誰かが不安の中にいる時、笑顔をプレゼントできる人間になりたいと思いました。

(近美千代・新潟県)

みんなの歌声が会場をつつむ。笠木透さんが、フォークソングは弱者の表現手段、といつも言ってらっしゃるけど、このうたはまさにそれをかたちにしたものだと思った。自分のきもちや体験を、上手へた関係なく、かっこつけず、かざらず、表現すること、それこそが、ひとのこころにつよく訴えるちからになる。この一枚のCDは、その意味でもおおきなおおきな応援歌だなあ、日本中のこころ苦しい人にとって、今の社会で生きづらい人にとって。
クッキングハウスには、「不思議なレストラン」とか「こころの居場所」とか、いろんな形容詞があるけれど、クッキングハウスが、実は銀行でもあるんです、というお話をしました。松浦さんがメンバーさんに、そのままでいいのですよ、と言い続けることで、ほっと安心して、笑顔のふえてきたメンバーさんたち。そのメンバーさんたちがレストランでお客様をお迎えすることで、またそのお客様たちがほっと安心して、そのきもちをお土産にお帰りになる。その安心空気がクッキングハウスにもちゃんと残って、だんだんとたまって行く。なので、このクッキングハウス銀行あんしん貯金は、松浦さんとメンバーとスタッフとお客様との、全員でつくっていくもの。今日のこのコンサートでも、またみんながいっぱい貯金してくれましたよね。
もうひとつ、クッキングハウスが、いのちの学校だ、ということもお話しさせて頂きました。たくさんのメンバーさんたちが、苦しい、つらい経験をくぐり抜けて仲間とともに生きぬいてきた、そういうみんなの生きる姿に学ぶ学校だ、ということ。この学校には入学試験がないので誰でもはいれて、私も生徒になって約15年。25年のおめでとう+ありがとう、を一緒にまぜて、こんなお祝いスピーチができたこと、私にとっても、この日のおおきなしあわせでした。
(水野スウ・石川県・紅茶なきもちブログより一部抜粋)

CD文庫と写真集、幾度も開いたり聴いたりしています。みなさんお一人お一人のCD文庫の文章、うたづくりへの想いがまたとても良くて、あたたかいものがあふれてきました。「場」と出会い、「人」と出逢い、自分の幸せを求める道がだれかの幸せを創っている…ってすばらしいです。クッキングハウスの歩みは、全ての人たちの生きている喜びづくりにつながっているんだなあと思っています。
(金子ジュン子・埼玉県)

ほんとに素晴らしかったです。幕開けから泣きっぱなしでした。どんなコンサートよりすてきでしたよ。  
(柴田和子・千葉県)

想像していたより、はるかにプロフェッショナルでびっくり致しました。皆さん全員の思いと情熱が、ぎっしりつまっていましたね。斎藤さんの司会、すばらしかったですよ。ゲストの方達のごあいさつのことばも感動の連続でした。30周年記念コンサート、もう今から楽しみにしている私です。
(吉原郁子・東京都)

ロビーに入った途端、たくさんのスタッフ、入場者、並べられている本の数々、それを売っている、これまた多くの人。こんなにも多くの人々に、クッキングハウスは支えられているんだなあと、まず感動でした。一番前のまん中の席に座りました。幕が上がり、しっかりと前を向いてライトを浴び、並んでいる皆さんの何という清々しさ。お一人お一人の顔を目で追いながら、それぞれの方が過ごしてこられた人生に思いを巡らせました。当事者の苦しみは、私には思い及ばぬ深いものでしょうけれども、歌詞に込められた思いは、私の心の深い所にまっすぐ届きました。   (渡辺美智子・埼玉県)

CDは毎日、車の中で聞かせていただいています。元気がでたりホロリとさせられたり、心の中があったまります。「いも料理」は聴いている内に私も「いも料理」が作りたくなって、冬取りの新じゃが芋でポテトサラダを作りました。「そのままのあなたでいい」表紙のあい子さんの笑顔、本当にすてきですね。知っているお顔が沢山いて、この一冊があればいつでもクッキングハウスに行った気分になれるからうれしいです。 
(前島公美・茨城県)

舞台の上の皆様、すばらしい歌声でほんとうに感動致しました。みんなすごく良かったです。元気で皆が生き生きとして力強い声に励まされました。
 (三木敦子・東京都)

心にしみる、温かな空間と満ち足りた思いを本当にありがとう。幸せな気持ちと、込み上げる気持ち。こころの中に、みなさんの空気や、協力して作られた夢のような居場所がしっかりと住み着きました。どんなに多くを乗り越え、手を取り合い、繋がれた時間に力を頂けたことでしょう。
(志田弘子・石川県)


草の露に似た、命のキラめきがありました。
「一粒の露」    タゴール    (タゴール詩集より)
私は世界を巡った  あらゆる土地 あらゆる国を訪ねた 山も海も川も巡った
だが 私は忘れていた  私の家のすぐ外の 小さな草の葉に 一粒の露が宿って
そこに全宇宙が 映し出されているのを

観客の前に立つだけでも大変な人たちなのに、顔をしっかり上げ、歌詞をみないで歌う、その姿に何度も目頭が熱くなりました。繊細で傷つきやすい当事者のつぶやきや思いが歌になり、人間の尊厳として、ステージで光を放っていました。
(松崎運之助・千葉県・路地裏通信2013.1.8号より抜粋)

古くからの友人である松浦幸子さんが調布に開いたクッキングハウス。困難な状況やつらさを歌ったものから、母や大切な人への思いを歌ったものまで幅広く、聴きながら何度も涙があふれた。お祝いのスピーチで登壇した松崎運之助さんが語る。「闇」という字は「音」を門で閉じ込めている。自分のつらさや悲しみ、せつない思いなどをじっと心の中に閉じ込めていると「闇」になる。自分のこころの中に沸き起こった感情を言葉にして、声に出し、歌にして解き放ったときに光が見えてくるのだと。胸がじーんと熱くなった。
「おいしい・うれしい・たのしい」でつながる仲間。調布と川崎の地で、これからも居場所の灯をともし続けていきたいと思う。 
 (西野博之・神奈川県 たまりば通信2013年1月号より抜粋)


笠木さん達の助力を含めて、オリジナル作品でCDを1枚創り、コンサートホールで発表ができるメンバーやスタッフが集っているのは素晴らしいことだなぁ…とあらためて思いました。良い音・良い灯り・良い時間のお役に立てていたなら、コンサートスタッフ一同幸いです。
(橋本勇太・舞台監督)


カレンダーは部屋に。月の変わり目が楽しみになるな〜と思っています。CDは何度も聴いてしまいました。前沢さんとは以前お会いしたことがあるのですが、彼女がこんなにステキな作曲を!とドキドキします。特に「八丈島の海」は詩と曲がぴったりで、ハッピッピーがとってもおしゃれにひろがってきました。「幻聴ルーム」は、静かに平和に穏やかに、目立たず普通に暮らしたい、のところで、思い出すことがあり涙がぽろぽろこぼれます。そのほかの歌も一曲一曲味わいがあって、久しぶりに歌を聞いて芯から震える感じを体験しています。
大震災があって2年経とうとしています。政治も重苦しく、なかなか先が見えず、こんな時、「心の手をそっとつなぎあうって、こんなかんじなのかも」と感じさせてくれるCDを作ってくださり、じわーっと暖かさが伝わり、「さあ始めるか」という気がしてきました。
 (柴垣芳美・長野県)


祝賀ムードいっぱいの温かい空気が会場を包みました。全員穏やかな表情で前を向き、まっすぐな声で歌う姿は、大きな感動を与えました。笠木透さんはコンサートの中で、「日本の各地で、自分たちの歌が歌われるようになることが、いまの日本にとってとても大切なことだ」と語ってくれました。宮城に戻って、コンサート記念のCD文庫や写真集を手に取りながら、歌うことの意味や生きることの意味をあらためて問いかけています。
(勝然たみ子・宮城県 週刊 うたごえ新聞 2013年2月11日より抜粋)


25周年の大きなイベントを終えられて、ほっとしていらっしゃると思います。大成功だったと増野先生から伺って?んでおります。「そのままのあなたでいい」のなかの一人ひとりのなつかしい顔をみながら、なつかしさで胸がいっぱいになってきました。宝物のような、みなさんと一緒の時間でした。
メンバーの、あの堂々とした笑顔、もう土台はしっかりしてますね。これからの仕事は、たくさんの後継者づくり。あのクッキングハウスの灯は消したくないものです。
私も1月25日には82歳になります。その十数年をクッキングハウスに関わることができたのは誇りです。
(前田ケイ 宮城県)  


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